先日、火災保険をご契約いただいているお客様から、
「ねずみかハクビシンに排水管を噛まれて漏水してしまった。壁や床にカビも生えてしまったのでなんとかならないか」
との相談がありました。
ねずみやハクビシンといった生き物によって財物が破壊されることを、損害保険上が「害獣被害」と表現しますが、このことをインターネットで検索してみますと、「害獣によって建物が被害に遭っても保険適用外」という記事が上位検索に多くヒットします。
お客様はこのことで不安になられたそうなのですが、さて、これは事実でしょうか。
結論を言うと、「全てが補償されないわけではない」となります。
私たちから見ると、非常に不親切で誤解を生みやすい記事が蔓延っているものだと思いました。
火災保険約款を読むと、たしかに「害獣による直接被害部分については免責」と言ったことが書かれています。
害獣が建物に存在しているということは、建物管理者が日頃から予防的行動をとっていれば防げることであり、それを怠ったもしく不足していたと見ることができるため、不測かつ突発的な事故とは言えない。
こんな理屈のようですね。
事実、害獣によって建物の壁や柱を食われた場合、その破損した箇所は保険金がおりません。
ただし、冒頭の相談事例のように、破損箇所に起因した二次被害については、「不測かつ突発な事故」となり、保険金申請の余地があるのです。
今回の被害の内訳を見ると、約170万円もの修理費用がかかっていました。
① 害獣に破壊された配管の修理費用:20万円
② 漏水によってカビが生えた壁・床の修理:150万円
このうちの②については保険金支払いが承諾され、無事に修理も終わりました。
実際に被害に遭われた方がインターネットの情報を信用してしまった場合、莫大な修理費用を自己負担しなければなりません。
紹介した記事の作成元はリフォーム系の企業さんが多いようでしたが、もし保険代理店の担当者に中途半端な知識、誤った知識しかなかった場合、保険金申請が不適切に行われてしまうこともあるかもしれません。
弊社では細かいこともひとつひとつ確認しておりますので、損害保険選びに迷ったら、ぜひ弊社へご相談ください。